Reply To: RASP-ZXでの伝達関数測定

HARK FORUM RASP-ZXでの伝達関数測定 Reply To: RASP-ZXでの伝達関数測定

#1315

お問い合わせありがとうございます。

1.既に書かれていらっしゃるように、RASP-ZXの場合はマイクを自由に配置可能ですので次のような手順で作成します。
1) 最初に作成するマイク座標ファイルは何を選択しても問題ありません。直線配置であればマイク座標はgridがよさそうです。音源座標は、次の「2.」の回答で書いているように通常はcircleやsphereが良いと思われます。点の数がマイクの個数以上となるように設定して作成します。
2) Top画面に戻ってから、出来上がったマイク座標ファイルを編集します。「Visualize」というボタンを押すと、右側に現在の配置が描画され、左側に座標リストが表示されます。リストの右側にある丸の中に「-」というボタンを押すと指定行の座標が削除されます。(注:途中のidを削除した場合は連番になるように編集の最後に「reset id」ボタンを押してください。)
なお、座標の単位は[m]で、(X,Y,Z)=(1,0,0)方向が0度(正面)です。例えば、0度を基準として左右の音源と分離するのであればマイクアレイが15cm間隔ですので、座標上はY軸方向に0.15間隔で並べてください。HARKが出力する角度情報は、X,Y,Zがすべて0となる位置からの角度となりますので、マイクアレイの中心が(X,Y,Z)=(0,0,0)となるようにする事をお勧めします。(注:RASP-ZXは本体から最も遠い末端が1chでRASP-ZXに近づくにつれてch番号が増えます。マイク配置の順番もマイクのch順になるように注意してください。)
3) Top画面に再度戻ってから、「Download」ボタンで座標ファイルを保存されることをお勧めします。

2.音源位置は実際に使用される環境に合わせて作成します。テレビのように正面180度にしか話者がいない前提の場合は半円で良いですし、ロボットのように全方位に人がいる場合は360度で作成します。例えば座席に座っている人と後ろに立っている人を分離するようなケース(高さが異なる位置の話者同士を分離したい場合)では球体のように配置すべきです。つまり、用途に合わせて音源があると考えられる位置のリストを作成してください。通常の用途ではcircleやsphere、半径は1m前後で問題ないと思われます。席に座っている場合のみを想定するのであれば半径60cmぐらいでも良いと思われますが、これも実際の用途に合わせてご設定ください。

3.伝達関数とは音の伝播を表す関数ですので、特定の空間でのマイク位置と音源位置の音の伝わりが分かる(例:遅延、減衰は距離などに起因します)必要があります。つまり、マイク座標と音源座標が分からなければ幾何計算できません。単に収録したPCMデータを指定するためのファイルではないのでご注意ください。逆にTSP収録した場合に座標ファイルが必要になる理由は、その伝播がどの音源位置であるかを結びつけるためにあります。そのため、誤った情報を与えると誤った結果を(正しく?)返します。

4.ダウンロードできる伝達関数とは、下記のURLからダウンロードできるものでしょうか?もし、その認識で合っていましたら「Other Information (Common for TSP recording and geometric calculation transfer function)」という項目がありますので、ご確認ください。恐らくですが、ここに記載している5度毎72方位(マイクアレイ中心からの仰角16.7度)の円形配置という設定と、作成された際の設定で異なるためと考えられます。ご質問の「2.」で書かれているのは伝達関数作成マニュアルの設定かと思われますが、このマニュアルの説明での作成例ですのでご注意ください。
https://www.hark.jp/document/supported/

以上、宜しくお願い致します。